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編集後記
渡辺 英伸
pp.1186
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103786
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Sydney Systemは,胃炎の国際比較ばかりではなく,胃炎とそのほかの胃疾患との関連を解明するためにも,有用な胃炎分類法である.しかし,依然として,問題点を含んでいる.特に,内視鏡分類と組織分類(また,組織項目のgrading)との対応は不完全で,これらの点は既に日本人の手によって解決されているべきであった.しかし,本号をみる限り,これら問題点の解決に向けて,日本でようやくエンジンがかかってきたという感がする.除菌後の内視鏡所見(改善・不変・増悪など)が指摘されているが,それらがどのような組織学的所見(Helicobacter Pylori,胃酸・ペプシン,血管透見像は真の萎縮か,など)に起因しているのか,更に詳細に一対一で分析されるべきであろう.本号で,Sydney Systemの利点と問題点は明らかにされた.それを頭に入れたうえで,このSystemを運用しながら前述の課題と問題を解明することが,今,望まれている.
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