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編集後記
小山 恒男
pp.422
発行日 2005年3月25日
Published Date 2005/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104275
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わが国の食道癌は90%以上が扁平上皮癌であり,特殊組織型の頻度は少ない.このため日常臨床で特殊組織型の食道癌に遭遇するチャンスは少なく,その特徴を十分に知らない消化器医も多い.そこで,本号では特殊型食道癌を取り上げ,X線,内視鏡,病理,臨床の立場からその特徴を論じて頂いた.これだけ幅広い視点から特殊型食道癌を考えた企画は過去に例がなく,本号では特殊組織型食道癌の特徴を網羅することができた.
特殊組織型食道癌はX線,内視鏡で粘膜下腫瘍様の発育形態を呈すため,その特徴的な肉眼像を知ることで鑑別診断が可能である.また,病理組織学的には類基底細胞癌(basaloid squamous cell carcinoma ; BSC)と腺様囊胞癌(adenoid cystic carcinoma ; ACC)の鑑別が問題であったが,本号では組織分類の新たな方向性が見い出せた.主題症例ではMALTリンパ腫,粘液表皮癌,BSC,癌肉腫,腺癌,小細胞,悪性黒色腫など多彩な症例が良好な画像資料とともに掲載され,特殊組織型アトラスとしても有用な号になった.本号を精読することにより,特殊組織型の食道癌の特徴,問題点をご理解頂くことができる.まれな疾患だが,特色のある疾患群であり,これらの症例に遭遇した際には本号を再読し,診療に役立てて頂きたい.
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