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編集後記
小山 恒男
pp.1318
発行日 2004年8月25日
Published Date 2004/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104263
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消化管の診断学が世界で最も進んでいるのは日本であり,そのリーダーが「胃と腸」誌であることに異論はない.だが,Barrett食道癌に関しては例外であった.欧米諸国では食道腺癌が多く,特に白人男性では食道癌の70~80%までがBarrett食道腺癌である.日本では圧倒的にBarrett食道癌が少ないのだから,やむを得なかった.“欧米ではランダムバイオプシーによるサーベイランスが主流であり,彼らの診断学はだめだ"と多くの日本人が考えている.しかし,そうでもない.
近年,欧米でも上部消化管拡大内視鏡が導入されBarrett食道の拡大観察が急速に普及している.ニューオリンズで開催されたDDW 2004でもBarrett食道の内視鏡診断に関する多くの発表があった.このままでは日本のお家芸である表在癌の診断でも欧米に遅れをとってしまう.危機感を持って,本号を企画した.
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