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編集後記
平田 一郎
pp.1358
発行日 2003年8月25日
Published Date 2003/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104237
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「胃と腸」において,“直腸肛門部病変"の特集が取り上げられるのは今回で3回目となる.初回は1977年で26年前のことである.第2回目は1987年で今から実に16年も前である.当時,急性出血性直腸潰瘍やmucosal prolapse syndromeなどが直腸肛門部病変のトピックスとして取り上げられていたことを思えば,この分野での積年の進歩が窺われる.
今回の特集では,外科医,内科医とも消化器専門医である以上,肛門部病変の診察・診断にも精通すべきであるというコンセプトを前面に出して編集企画を行った.本号ではまずはじめに,肛門3大疾患である痔核,痔瘻,裂肛を中心に直腸肛門部病変に対する外来診察の基本がしっかりと解説されている.また,同部の病変に対する診断法では,前回の特集ではなかった新しい機能検査,EUS,CT,MRIなどに関して非常に充実した内容が盛り込まれている.さらに,肛門3大疾患と鑑別を要する重要な疾患群が,感染,IBD,腫瘍のカテゴリーに分けられて豊富な画像と共にわかりやすく取り上げられている.肛門管早期癌もまとまった数で検討され,同病変の早期発見早期治療に大いに役立つであろう.また,診断困難例やまれな直腸肛門部病変が主題症例として取り上げられ,同部病変の鑑別診断に寄与するであろう.
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