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編集後記
平田 一郎
pp.1804
発行日 2007年11月25日
Published Date 2007/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101234
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近年,高齢化社会の中で非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用頻度はますます増加している.それを反映してか,実地臨床の場において消化管粘膜傷害や消化管出血などの合併症も漸増してきている.
本号のテーマは「NSAID起因性消化管病変」であり,この中で基本的な事項が網羅されるように企画を練ったが,これらに関連した興味ある内容も多く盛り込まれている.本号では,低容量aspirinと胃体部潰瘍やボランティアを用いた研究,腸潰瘍や膜様狭窄とアポトーシス,大腸病変の分類とその特徴の検討,NSAID坐剤による直腸病変,NSAID起因性消化管病変の治療や予防に関する知見,NSAIDの抗腫瘍効果などについて詳細に述べられている.また,一度見ておくと次の診断に役立つ画像も主題や主題症例の中で豊富に提示されている.さらに,膜様狭窄に対するダブルバルーン小腸内視鏡を用いた拡張術などもこれからいっそう行われるようになるであろう.
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