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編集後記
平田 一郎
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1藤田保健衛生大学消化管内科
pp.2077
発行日 2009年12月25日
Published Date 2009/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101828
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CC(collagenous colitis)は,欧米では約30年前に疾患概念が提唱され,以後,症例の蓄積とともに多くの知見が集約されてきた.一方,本邦においてはCCの認知度は決して高いとは言えず,CCの報告例が散見されだしたのはつい最近のことで,類縁疾患であるLC(lymphocytic colitis)に至っては本邦ではほとんどその報告を見ないのが現状である.CCとLCを総称してMC(microscopic colitis)と言うが,本邦では欧米に比してMCが少ないのか,それとも見逃されているのか実態はつまびらかにされるべきである.他誌だけでなく本誌においてもCCに関する特集は企画されたことがない.消化器医はCCの臨床的特徴を把握して,慢性下痢患者に遭遇したときには本症も必ず念頭に置いて診断治療に当たるべきである.また,CCは大腸内視鏡的肉眼所見に乏しく,生検病理組織が診断の決め手となる場合が多い.消化管病理診断に携わる病理医にCCの組織所見を十分認識してもらい症例の取りこぼしがないようにしたい.このような観点から,今回CCの特集が企画された.
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