特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
吻合部潰瘍(stomal ulcer)
西俣 寛人
1
1南風病院
pp.393
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104065
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吻合部潰瘍とは,胃部分切除後または胃空腸吻合術後に,吻合部近傍の小腸側に発生した潰瘍を言う.吻合線上にみられる潰瘍,いわゆるsuture line ulcerは,主に吻合糸の遺残によって起こるもので,吻合糸の内視鏡下での抜去により治癒する潰瘍であり,消化性潰瘍の1つと考えられている吻合部潰瘍とは分けて考えることが必要であろう.
吻合部潰瘍は,H2ブロッカーやプロトンポンプインヒビター(PPI)が出現するまでは,再燃・再発を繰り返す難治性の潰瘍で再手術される症例もみられた.
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