特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
腺房造影(acinar filling)
小越 和栄
1
1県立がんセンター新潟病院内科
pp.365
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104037
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ERCPの造影時に見られる所見で,acinar fillingは実際には2とおりの所見があり,臨床上やや異なった像を示す.
acinar fillingを最初に記載したのは,1950年代に開腹下膵管造影の報告を多く行ったDoubiletが記載しており,膵炎の回復が不十分な時期に膵管内に造影剤を注入した場合に,膵実質内に造影剤が人り,スリガラス状に膵が見えてくると報告している1).その機序として,Doubiletは膵炎により膵管上皮の造影剤に対する透過性の亢進によると述べている.これが,Doubiletの言う膵炎後のacinar fillingで,膵実質が均一に造影されることが特徴的である.
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