特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
陰影欠損(filling defect,Schattendefekt)
中野 浩
1
1藤田保健衛生大学消化器内科
pp.334
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104006
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陰影欠損とは消化管のX線充盈像で,本来あるべき辺縁部分の陰影が局所で欠損している像を言う.典型的な陰影欠損は境界が明瞭で,欠損部に不整があり,進行した隆起性の癌の側面像を表し,2型癌ではSchattenplus im Schattenminus像を示す(Fig. 1).Ⅱc型早期胃癌が辺縁に存在したときにも突出像としてではなく陰影欠損として現れる(Fig. 2↓).この所見のより軽度のものは陥凹ニッシェ(Niche encastrée)や陥凹像(Aspect encastrée,Fig. 3↓)と呼ばれる.陰影欠損の輪郭が平滑かどうかで癌と非上皮性腫瘍との鑑別診断がなされる.また,陰影欠損の形,程度で癌の深達度診断が行われる.一二重造影像にみられる陰影欠損部の所見は回転の要素が加わり,恒常性に乏しく陰影欠損と呼ばないことが多い.注腸二重造影像では陰影欠損部を変形と称し,変形の形,程度で癌の深達度の診断を行う.
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