Japanese
English
臨床経験
膝蓋骨dorsal defectの1例
Dorsal Defect of the Patella: A Case Report
桜井 清治
1
,
栗崎 英二
2
,
新名 正由
2
,
下村 裕
2
,
右近 良治
3
Seiji Sakurai
1
1防衛医科大学校整形外科学教室
2大阪逓信病院整形外科
3国立大阪南病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, National Defence Medical College
キーワード:
膝蓋骨
,
patella
,
dorsal defect
Keyword:
膝蓋骨
,
patella
,
dorsal defect
pp.1339-1343
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907733
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抄録:dorsal defect of the patellaは膝蓋骨のレ線上の異常陰影として1972年Caffeyらによって報告されたが以後の報告は多くなく,その本体は未だ明らかでない.膝蓋骨の近位外側,関節面より境界明瞭な円形の透亮像として認められるレ線所見と10代に集中してみられることが特徴であり,病理では変性と修復像を呈するというが詳細は報告により異なる.無症状例も多く,概ね良好な経過をとる疾患である.
われわれは膝関節痛を主訴とする12歳女子の膝蓋骨に上記のごとき典型的レントゲン所見を認め,病巣掻爬を行った.病巣は硬化した骨に囲まれた球状の線維性組織で関節軟骨直下に存在し,軟骨はその部分で陥凹していたが,変性や穿孔はみられなかった.また病巣内には線維性組織吸収の進んだ壊死骨や,一部滑膜様組織も認められた.
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