特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅰ部 消化器の基本的解剖用語
大腸の解剖用語
牛尾 恭輔
1
1国立がんセンター中央病院放射線診断部
pp.277-279
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103961
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1.大腸全体の解剖
大腸は長さが約170cmの管腔の臓器で,腹腔内を一周するかのごとく走行する.主に解剖学的な位置関係からFig. 1のように,盲腸,上行結腸,横行結腸,下行結腸,S状晶腸,直腸に区分される.更に上行結腸と横行結腸との移行部は,右結腸曲(肝彎曲部),横行結腸と下行結腸の移行部は,左結腸曲(脾彎曲部)と呼ばれている.なお,盲腸の先端部には,虫垂か存在する.
一方,直腸はRs,Ra,Rbに区分され,肛門管を経て肛門周囲皮膚(E)に移行する.このように盲腸と直腸は結腸と異なって,前者は小腸に後者は肛門皮膚に移行する部位であり,これらの移行部位では回盲部,直腸肛門部と呼ばれることが多い.そして,これらの部位では,種々の炎症性病変や腫瘍性病変か好発するので,その解剖的な理解は大切である.
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