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編集後記
吉田 茂昭
pp.126
発行日 1998年1月25日
Published Date 1998/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103564
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「胃と腸」が刊行されて33年が経過した.これを記念して,本号ではこの33年間の早期癌の歩みを取り上げることにした.座談会では大先輩から中先輩まで,12人という大勢の先生方に参加を願ったが,「胃と腸」発刊までのエピソード,あるいは早期胃癌診断の黎明期に直面した様々な困難とその解決に向けた諸先輩の努(気)力と知恵,更には早期癌診断の食道・大腸への展開等々,故人を含めた先人たちのエネルギーが脈々と伝わってくる.ことに,これまであまり知られていなかったエピソードの中に光る“常に先を見据えた眼力の確かさ”には敬服する思いである.“近ごろの若い者は――”という台詞はどこの世界でも共通であろうが,若い人たちにとって本特集号は早期癌の問題にとどまらず,ある意味で人生勉強にもなってくれるものと思われる.先人たちの“初心に帰れ”という忠告は,単に過去に戻れということではない.より本質に近づくためのbreakthroughを促しているのである.若い彼らのよりいっそうの奮闘を願うばかりである.
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