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編集後記
吉田 茂昭
pp.728
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106202
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周知のように十二指腸病変の大多数は消化性潰瘍であり,腫瘍性病変は極めて少なく,更にその中の悪性腫瘍はと言えば,むしろまれという範疇に入ってしまう.また,この十二指腸腫瘍の意味するところはかなり曖昧であり,殊に十二指腸ではブルンネル腺の過形成による隆起性病変をブルンネル“腺腫”と呼んでいることもあって,その曖昧さに拍車をかけているように思われる.
今回,「胃と腸」として初めて十二指腸腫瘍を主題として取り上げることになったが,その際に問題となったのはまさにこれらの点であった.したがって,主題を担当された方々には,病理学的な“neoplasm”に限定せず,腫瘤像を形成する病変を広く含めて執筆をお願いし,症例数を含めて,まずその現状を把握することを第1の目標とした.
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