Japanese
English
今月の主題 GIST(gastrointestinal stromal tumor)―概念と臨床的取り扱い
序説
GIST(gastrointestinal stromal tumor)―概念と臨床的取り扱い
Introduction
川口 実
1
Minoru Kawaguchi
1
1国際医療福祉大学臨床医学研究センター・山王分院内科
キーワード:
GIST
,
間葉系腫瘍
,
c-kit
,
CD34
,
超音波内視鏡下穿刺
Keyword:
GIST
,
間葉系腫瘍
,
c-kit
,
CD34
,
超音波内視鏡下穿刺
pp.1111-1112
発行日 2001年8月25日
Published Date 2001/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103293
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- Abstract 文献概要
約10年くらい前から従来のH・E標本,鍍銀染色などで筋原性腫瘍とされていたものの中に免疫染色を行ってみると筋原性マーカーにも神経系マーカーにも染色されない腫瘍が存在することが指摘されていた.
臨床家がGIST(gastrointestinal stromal tumor)という概念を受け入れ,使用するようになったのはAckermanのSurgical Pathology 8版1)に記載されてからと思われる.AckermanのSurgical PathologyではGISTを広く消化管間葉系腫瘍全体を総称する診断名として定義し,さらにsmooth muscle type (benign,borderline,malignant),neural type,combined type,uncommitted typeに分類している(Table 1).ところがGIST(gastric stromal tumor)という言葉は1983年にMazur2)によって,平滑筋系マーカーにも神経原性マーカーにも染色されない腫瘍群を包括する概念として導入されたものである.さらに,本号の執筆者の1人であるHirotaら3)がGISTにc-kit遺伝子の変異があることを明らかにし,さらにGISTはc-kit,CD34が陽性であること,およびc-kitがCajalの介在細胞に発現していることよりGISTはCajalの介在細胞由来であると考えられるようになってきた.
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