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編集後記
小池 盛雄
pp.588
発行日 1999年3月25日
Published Date 1999/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103024
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中村の分類,あるいはLauren分類では胃の分化型癌は腸上皮化生,未分化型癌は胃固有粘膜から発生するとされていた.近年,各種の粘液形質の発現を検索することが可能となって,分化型癌の中に胃型の形質を有するものが相当数あることが知られてきた。このような癌が胃型分化型癌と呼ばれ,最近問題として取り上げられるようになってきている,もちろん,純粋な腸型,胃型形質を有するものばかりではなく,両者の性格を持つものが多数ある.胃型分化型癌の問題は,生検診断と治療の両面にある.生検診断では極めて異型度の低い癌が存在することで,小さな組織片で,構造異型を中心に正確な病理診断を下すことが必要となる.このような癌の存在を認識していなければ,病理医にとっても診断は容易ではない.
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