特集 消化管の画像診断―US,CT,MRIの役割
各論
US,CT,MRIを使った診断(精密検査)と治療効果の判定
6.大腸
2)炎症
①急性炎症
広岡 大司
1
,
大地 宏昭
1
,
片岡 伸一
1
,
豊永 高史
1
,
土細工 利夫
1
,
藤吉 朗
1
,
杉山 健
1
,
杉山 理恵子
1
,
林 泰志
1
,
筑後 孝章
2
,
園村 哲郎
3
,
井出 満
4
1岸和田徳洲会病院内科
2岸和田徳洲会病院病理部
3岸和田徳洲会病院放射線科
4岸和田徳洲会病院腹部超音波室
キーワード:
壊死型虚血性大腸炎
,
大腸憩室穿孔
,
上腸間膜動脈血栓症
,
特発性大腸穿孔
,
宿便性大腸穿孔
Keyword:
壊死型虚血性大腸炎
,
大腸憩室穿孔
,
上腸間膜動脈血栓症
,
特発性大腸穿孔
,
宿便性大腸穿孔
pp.413-420
発行日 1999年2月26日
Published Date 1999/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102992
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要旨 大腸壊死性疾患(上腸間膜動脈血栓症,壊死性虚血性大腸炎),大腸穿孔(憩室穿孔,憩室炎穿孔,宿便性穿孔・特発性穿孔)について症例を中心に臨床像,腹部単純撮影,US,CTによりどこまで鑑別診断ができるかについて述べた.大腸壊死性疾患や大腸穿孔では腹部が膨隆し,急激に全身状態が悪化するため,全身状態の管理と診断・治療に緊急性が要求される.壊死性虚血性大腸炎の場合,大腸は拡張し,広範囲に発赤,腫脹を認め,腹水が多く,血性になることがある。上腸間膜動脈血栓症では壊死が強いと,大腸壁のair像や門脈内air像を認めることがある.憩室炎穿孔は憩室炎の前駆症状があり,US,CTで局所大腸の浮腫と周囲膿瘍を形成,憩室穿孔では排便時の息みなどを契機として,突然の腹痛で始まる.US,CTで憩室の証明,周囲膿瘍が特徴である.また宿便性穿孔も息みなどで,突然発症し,US,CTで宿便の証明と周囲膿瘍を証明する.高齢化が進む中,大腸の急性疾患,特に緊急手術を必要とする疾患―大腸壊死性疾患,大腸穿孔について,どこまで鑑別診断が可能か
を検討した.
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