Coffee Break
内視鏡奮戦記(3)
武藤 徹一郎
1
1癌研究会附属病院
pp.1300
発行日 1999年9月25日
Published Date 1999/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102826
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3.盲腸までの到達レース
大腸内視鏡検査を始めてから数か月後にはオリンパスから長い内視鏡の供与を受け,検査の範囲が一挙に拡がった.Dr. Christopher Williamsは初めは助手をしていたが,10例目くらいから俺にもやらせてくれということで,“10 minutes rule”のもとに2人で交互に検査を行った.日本での練習分も含めれば10数例は私のほうが経験が多いので,私が教師役ではあったがその技術は素人並み.そこで世界の第一人者をつかまえて,他人には“I used to be his teacher.”と言うことにしている.大体,直腸S状部を越えるのが一仕事,下行結腸へ入れる技術など全く知らないので,全然進まなくなることがしばしば起こる。10分経っても進まなければ交替する.これが“10 minutes rule”で,これは意外に有効であった.
Dr. Williamsは器用な男で,病棟の処置用品をのせるトロリーに光源,吸引器,生検鉗子,その他の必要な品々をうまく配置して並べ,移動を自由にした内視鏡検査用トロリーを作成した.
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