「胃と腸」ノート
大腸内視鏡検査が変わる(2)―挿入形状観測装置の開発
多田 正大
1
1京都がん協会消化器科
pp.1329-1330
発行日 1999年9月25日
Published Date 1999/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102832
- 有料閲覧
- 文献概要
1.はじめに
大腸内視鏡の挿入に際して,スコープの挿入状態(ループ)を知ることは,苦痛なく,安全,正確に検査を遂行するために重要である.また病変を発見した場合,その正確な部位を明らかにしなければならない.そこで大腸内視鏡検査においてもX線透視が必要であるが,X線透視は人体や内視鏡器具にも有害であるし,内視鏡室にX線装置を設営するための費用は莫大である.
そこでX線を使用しなくても,スコープの挿入状態を知るための手段の開発が望まれているが,筆者も含めて,欧米の医学雑誌でこれらのアイディアを読んだ内視鏡医は,わが国でも早く実用的な装置が開発されないものか,やきもきしながら期待している.最近,オリンパス光学(株)でも独自の方式の挿入形状観測装置が検討されてきたが,実用化のめども立ってきたのでその概略を紹介する.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.