「胃と腸」ノート
大腸内視鏡検査が変わる(1)―被検者の苦痛が少ないスコープの開発
多田 正大
1
1京都がん協会消化器科
pp.1183-1184
発行日 1999年8月25日
Published Date 1999/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102808
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1.はじめに
日本人にも大腸疾患が増加しており,大腸内視鏡検査のニーズが高まっているが,被検者からみると3Kの検査(苦しい,臭い,汚い)とも4K(3Kに加えて空腹),とも言われており,すこぶる評判が悪い.特にスコープ挿入にあたって,内視鏡医の手技の巧拙に左右され,相性の悪い医者が検査を担当しようものなら“お産よりも辛い検査”になる.いきおいsedationの力を借りて,被検者を半分眠らせた状態で検査を遂行することが常道になっている.
しかしsedationに伴う偶発症も無視できないし,sedationなしでも短時間のうちに挿入できるcolonoscopistも大勢いるわけだから,内視鏡医は手技の習熟に努めて,被検者にとって楽な検査を目指すべきである.
大腸内視鏡を少しでも楽な検査に改良すべく,スコープの機構面からの工夫も継続されている.内視鏡医の技術不足は道具で補う……と言えば問題があろうが,ここ数年間で大きい飛躍が期待できそうである.そこでその概略を2回に分けて紹介したい.
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