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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅰ.全般[一般論]
スコープを握る手で被検者の身体と会話する
Communicate with the patient’s body through the hand holding the scope
貝瀬 満
1
Mitsuru Kaise
1
1日本医科大学消化器内科学
pp.432-433
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001945
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解説
1.スコープを握る手で被検者の身体と会話する
人間には五感がある。すなわち,視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚である。内視鏡の診断には視覚と視覚情報に対する認知能力が最も重要であるが,内視鏡手技では視覚に加えて触覚が重要な役割を果たす。触覚は力(機械刺激)によって皮膚が変形することで生じる。皮膚には圧力,振動,伸縮や滑り具合に反応する数種類細胞やセンサー(自由神経終末,四つの機械受容器)があり,これらが組みあわさって一つの触感が構成されているといわれている1)。この触覚と視覚の統合的認知が,内視鏡手技上達の鍵となる。平たくいうと,内視鏡視覚情報とスコープから伝わる触覚を結びつけて内視鏡手技を実行することである。特に触覚情報がより大切であり,「スコープを握る手で被検者の身体と会話する」とも表現できる。このことを具体的な場面で説明してみよう。
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