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書評「Transabdominal Fine-Needle Aspiration Biopsy」
福島 範子
1
1同愛記念病院研究検査科
pp.352
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102500
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初めにお断わりしておくが,本法は非常に細い針を用いて腹壁を通して病巣から直接細胞を取る方法である.ごくありふれた総合病院で日常業務として病理診断,細胞診断に携わっている一人の病院病理医にとって,ここ10年ばかりの急激な方向転換はかつて経験のない激しい変化である,その原動力の一つは画像診断の進歩であり,もう1つは免疫組織学的,分子生物学的方法論の適用である.
一方,わが国は歴史上例をみない長寿社会に突入し,医療界もこれへの対応からより迅速により正確な診断を迫られている.積極的な手術適応範囲も拡がっている一方では高齢化に伴い消極的,保存的治療が正しい選択となる症例も増加している.これらの選沢は正しい診断のもとでこそ可能で,しかも患者への最小限の侵襲で確立する必要がある.
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