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編集後記
岡崎 幸紀
pp.354
発行日 1991年3月25日
Published Date 1991/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102501
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“胃癌の内視鏡的治療”の特集(19巻8号)で本誌に登場した胃粘膜切除法が,“内視鏡的胃癌粘膜切除の臨床”(23巻4号)を経て本号の特集となった.この特集から,早期胃癌の内視鏡的切除法は,なお数々の議論はあるにしても,既に治療法の1つとしての地位を築いたと確信した.本号の論文を読ませていただいて思うに,企画に際して,あらゆる方向からの検討をと苦労したが,各論文の内容はいずれも同一方向の流れをのみ示している.逆に言えば,それだけコンセンサスの得られた治療法となってきた,ということになる.
それゆえに,この治療法の適応条件と効果判定基準の確立が急がれる.今回の特集でそれぞれの最大公約数的なものは得られるが,臨床の場ではしばしば躊躇させられる.全国レベルでの早急なガイドラインの確立が望まれる.治療法として歩き出した以上,医療としての患者に対する責任でもある.
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