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編集後記
斉藤 裕輔
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1市立旭川病院消化器病センター
pp.1049
発行日 2010年5月25日
Published Date 2010/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101962
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大腸の側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)は「大腸癌取扱い規約」の肉眼型にはないニックネーム的な呼称であるが,病変の肉眼型をイメージしたり,内視鏡治療の大きさの限界や切除法について論じたりする際には極めて理解しやすい用語であり,現在広く普及している.LSTは形態学的特徴に基づき顆粒型〔LST-G(granular type)〕と非顆粒型〔LST-NG(non granular type)〕に分類されており,その発見頻度も上昇している.しかし,特にLST-NGにおいては深達度診断が困難とされ,その臨床・病理学的特徴は十分に解明されていないのが現状である.さらに,その治療法選択において,分割切除が許容されるか,一括切除が必要かの判断基準も明らかではない.本特集は,今後さらに普及するであろうLSTに対する内視鏡治療を見据えたうえで,病理学的側面および診断・治療法選択の面からLSTを分類することの意義について明らかにする目的で企画された.
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