消化管造影・内視鏡観察のコツ
〔切除標本の写真撮影のコツ〕コンピューター画像処理による臨床画像と切除標本との対比
中原 慶太
1,2
,
鶴田 修
1,2
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
2久留米大学医学部消化器病センター
pp.267-274
発行日 2009年2月25日
Published Date 2009/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101590
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はじめに
胃癌の画像所見の詳細な成り立ちが知りたい.自分が行った術前精密検査は,癌の肉眼所見を正確に描出していただろうか? 的確な読影ができていたのだろうか? 癌組織型や背景粘膜はどのような状態だったのか? ひだ集中の組織学的な成因は何だったのか? SM浸潤部はどこでどのように浸潤していたのか? このように日常診療においては様々な画像診断上の疑問が生じるものである.個々の疑問を解決しその結果を撮影技術や診断能の向上に還元させるには,画像所見と組織所見の対比検討が必須となる.しかし,実際にX線・内視鏡所見,切除標本の肉眼所見や組織所見をそれぞれ個別に眺めてみても組織所見を加味した画像所見の細かい成り立ちはよくわからない.この問題を解決するには,われわれの行っているコンピューター画像処理を利用した臨床画像・切除標本肉眼所見・組織所見の徹底的な対比1)~4)が有用である.対比のポイントは,“切除標本画像の回転"であるが,以下症例を呈示しながら解説していきたい.
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