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編集後記
浜田 勉
pp.122
発行日 2007年1月25日
Published Date 2007/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101035
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内視鏡治療が盛んな現在の状況でのSM1癌の診断を取り扱おうとして企画され,病理学的側面と診断的側面の2つの視点から考える必要が示された.
まず,分化型の中で,伊東は乳頭腺癌成分を含むものに,藤崎は粘膜内に混合する組織型を示すものに悪性度が高く内視鏡治療の適応を慎重にすべきと一歩踏み込んだ病理学的分析結果を示したが,SM1判定には粘膜や粘膜下層の全層観察がやはり不可欠で生検だけでは困難な面があると思われる.また,垂直距離500μmの詳細な病理所見を論じるうえで,過去の外科的切除標本は5mm間隔で,一方,EMRやESDで切除された標本は通常2mm間隔で切り出されており,この切り出し幅の差は結果に影響しないのだろうか.さらに,全層を固めた切除標本と局注して一部疎な組織が認められるEMRやESD標本における500μmを同列に扱ってよいのかも問いたい点である.
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