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編集後記
浜田 勉
pp.718
発行日 2005年4月25日
Published Date 2005/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104277
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日常診療では消化管出血例に遭遇することがよくある.この症状に対して手際よく臨床的に対応することは第一線で従事する消化器科医の大きな役割であり,同時に,その力量が問われることでもある.通常の顕出血例に対し,速やかに内視鏡検査を施行し,出血源を同定,診断することがまず求められる.種々の検査手順に加え,認識しておかねばならない疾患とその基本的な画像をまとめて学ぶことが本増刊号の企画のねらいであった.独自のデータを駆使しつつ出血症状に視点を絞って解説していただいた本文に各執筆者の熱意のほどがうかがえる.本書を内視鏡室に常備し,呈示された症例をじっくり見つつ,今後の診療に役立てていただけることを期待している.
今回,特に小腸疾患への新しいアプローチの方法として,体外式腹部超音波検査,ダブルバルーン内視鏡やカプセル内視鏡の画像が呈示され,今後,出血源不明とされた症例への有用な手段として臨床で用いられることになると推察された.一方,小林や松本が示した小腸X線像は極めて鮮明で,この領域でのバリウム造影検査の重要性は十分認識しておかなければならないだろう.
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