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編集後記
浜田 勉
pp.1870
発行日 2003年12月25日
Published Date 2003/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104245
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従来,転移性消化管腫瘍については症例報告として散発的にみられていたが,本号では膨大な病理集計に引き続き,胃,十二指腸,小腸,大腸の順で画像中心にまとめ,消化管臨床医にとって日常診療に役立つ企画となった.特に,小腸のX線像は力作でその熱意に拍手を送りたい.
原発巣が進行した状態で消化管への転移巣が増大した場合,その形態は典型的となり,それぞれの主題論文中に呈示してあるとおり診断は容易である.しかし,同時性でも異時性でも転移巣が軽度の場合,松永ら(大腸)や𠮷村ら(十二指腸)の主題症例のようにとても特徴的とは言えず,形態診断が困難である.“転移ですか,これが"と早期胃癌研究会でもしばしば振り回される.検査の技術が進む昨今,このような形態がみられることを十分認識すれば今後同様の症例が集積されよう.そして,非上皮性腫瘍の変化だけでは足りず上皮性要素を加えた新しい形態的な特徴がまとめられるものと予想される.
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