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書評「胆道外科における Cチューブ法ハンドブック」
山川 達郎
1,2
1帝京大学
2帝京大学溝口病院外科・内視鏡外科センター
pp.78
発行日 2007年1月25日
Published Date 2007/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101033
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この度,第一東和会病院院長,滋賀医科大学臨床教授,藤村昌樹博士が『胆道外科におけるCチューブ法ハンドブック』を刊行されました.藤村昌樹先生は,30年来の胆道外科のエキスパートであり,また本邦において内視鏡外科手術が日常の臨床に登場してからは,それまでの経験を生かして,内視鏡外科手術を推進され,多大の成果を学会で報告されてきました.私も胆道鏡を開発して,Tチューブ瘻孔を介しての遺残結石や肝内結石の治療に情熱を傾けた一時代を経験した関係上,藤村昌樹先生がこのようなご著書を刊行されたことはご同慶にたえません.
今や,総胆管結石の手術も施設によっては100%内視鏡下に行われるようになって,総胆管結石に対する治療戦略は一変しました.しかし小さな創から内視鏡を挿入して拡大した視野の下に精密な手術を行うことができ,かつ低侵襲である内視鏡外科手術の利点を生かすなかで,これまでに培われた総胆管結石の治療に関する基礎的理論は変わるものではありません.今回本著を拝読して思ったことは,Cチューブの応用に関しても著者の胆道外科医としての基本的な根拠に基づく考え方がそこここに窺われ,高く評価できる名著であると考えます.
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