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DDW-Japan 2004が10月21日(木)から10月24日(日)の4日間,福岡で開催された.開催前日の10月20日に台風が西日本を襲ったため,同日の交通機関は混乱し,翌日の21日もその影響が続いた.そのため,諸種のbusiness meetingや打ち合わせが行えないなどの影響はあったが,期間中の発表には大きな支障もなく運営されたようである.会場は福岡国際会議場,福岡サンパレス,マリンメッセ福岡の3か所に分散していたが,どこも満員であった.会場が相互に隣接していて移動が容易であったこともあるが,いずれも興味を惹くテーマであったためであろう.
小腸および大腸関連では11題の主題が企画された.初日の10月21日はシンポジウム2「炎症性腸疾患(IBD)の新しい治療法」,ワークショップ1「小腸疾患の新しい診断法をめぐって」,22日はシンポジウム8「colitic cancerの内視鏡診断と治療」,23日はワークショップ21「カプセル内視鏡の可能性を探る」,パネルディスカッション6「大腸sm癌内視鏡治療後の長期経過」,24日はシンポジウム15「大腸LST(2cm以上)に対する内視鏡的治療と成績」,シンポジウム18「便潜血陰性進行大腸がんの実態と対策」,シンポジウム16「腸疾患における消化吸収異常とその対策」,ワークショップ25「Virtual endoscopyの現況」,ワークショップ26「大腸狭窄に対する内視鏡的治療」,パネルディスカッション15「大腸がん検診・診療における注腸X線検査の意義と役割」である.筆者はワークショップ1「小腸疾患の新しい診断法をめぐって」とシンポジウム8「colitic cancerの内視鏡診断と治療」さらに特別講演「colitic cancerの内視鏡診断」(東京女子医科大学 長廻紘先生)を視聴した.いずれも会場は満席で立ち見が出るほどの盛況であった.ワークショップ1「小腸疾患の新しい診断法をめぐって」では8題および追加4題の計12題の発表があった.内容は腸管洗浄液を用いたCT・MR,multidetector-row CT,白血球シンチグラフィ,造影超音波,ダブルバルーン内視鏡,カプセル内視鏡,消化吸収機能,拡大内視鏡,自然免疫機能である.なかでもカプセル内視鏡が2題でダブルバルーン内視鏡3題と,内視鏡検査に関連する演題が最も多く採用されていた.カプセル内視鏡は日本では認可されていないが,欧米ではすでに汎用されており,その検査能力と診断能力を認識させられた.いずれの内視鏡検査法も,今後ますます注目され実施されるであろう.シンポジウム8「colitic cancerの内視鏡診断と治療」では8題の発表があった.surveillance法,内視鏡・拡大内視鏡診断,さらに諸種検査によるhigh risk群の診断についての発表がなされた.またdisplasiaとcancerの内視鏡像さらに拡大内視鏡像が数多く例示された.さらに,癌に対するpit patternの基準には合致しない症例やdysplasiaから進行癌への短期間での移行例も提示され,診断の難しさとsurveillanceの重要性を再認識させられた.このシンポジウムに先立つ長廻先生の特別講演では,炎症を背景にした癌の発見はいわば無秩序のなかの秩序であり,病変の同定はいまだ容易ではないことが強調されたが,理解しやすく示唆に富む内容であった.口演のほか,ポスター発表も会場の設定がわかりやすく,また参加者も多く活気に満ちていた.発表形式を問わずすべての演題が魅力あふれる内容であったといえるであろう.学会長をはじめとしたスタッフの方々に敬意を表する.
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