Japanese
English
今月の症例
健常成人に発症したヘルペス食道炎の1例
Herpes Esophagitis in an Immunocompetent Adult, Report of a Case
金政 秀俊
1
,
宮川 昌巳
1
,
仁丹 利行
1
,
松本 匡史
1
,
時田 和彦
1
,
梶田 芳弘
1
,
中川 裕隆
2
,
光藤 章二
3
,
岡上 武
3
Hidetoshi Kanemasa
1
1公立南丹病院消化器内科
2中川医院
3京都府立医科大学大学院消化器病態制御学
pp.1436-1437
発行日 2004年10月25日
Published Date 2004/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100576
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〔患 者〕 54歳,男性.2004年5月4日に突然の胸焼け感,上腹部痛を自覚.その後,症状の悪化を認めたため同年5月6日,当院消化器内科を受診.翌日の上部消化管内視鏡検査にて食道に異常を認めたため精査加療入院となった.
〔食道内視鏡所見〕 下部食道に小類円形や,広い地図状の浅い潰瘍の多発を認めた(Fig. 1a, b).食道胃粘膜接合部直上には深い打ち抜き様潰瘍を認めた(Fig. 1c).
〔生検病理組織学的所見〕 潰瘍辺縁からの生検組織標本では炎症性滲出物の中に,特徴あるすりガラス状の腫大した核をもつ変性上皮細胞や多核の変性上皮細胞を認めた(Fig. 2a).これらの変性上皮細胞の核は抗HSV1型抗体による免疫染色で陽性を示した(Fig. 2b).
〔入院時血液検査所見〕 生化学検査ではCRP1.4mg/dlと軽度の炎症反応上昇がみられたほか,異常を認めなかった.血清ウイルス抗体検査(EIA)ではHSV1型IgM3.81,IgG78.3と両者ともに陽性であった.
以上よりHSV1型によるヘルペス食道炎と診断した.aciclovirを投与し治癒した.
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