今月の主題 免疫学の理解とその臨床
免疫疾患のメカニズム
炎症性腸疾患における免疫異常—IL-7の役割
渡辺 守
1
,
上野 義隆
1
,
日比 紀文
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.515-520
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910198
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ポイント
●炎症性腸疾患の病因解明が進まない一つの理由は,腸粘膜上皮細胞と粘膜局所リンパ球のinteractionを含めた正常のmucosal immune responseの解明が不十分なことである.
●炎症性腸疾患における炎症性サイトカインの異常は,単球-マクロファージ系細胞の活性化による二次的な変化をみている場合が多い.
●骨髄,胸腺において未熟なB,T細胞の増殖・分化を担うIL-7が腸管上皮細胞で発現・産生され,粘膜局所リンパ球の増殖・機能的分化に役割を果たしている.
●炎症性腸疾患IL-7を介した腸管局所免疫調節機構の異常がある.
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