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特集 最近のトピックス1998 Clinical Dermatology 1998
2 皮膚疾患の病態
炎症性皮膚疾患とIL−1 receptor antagonist
Role of IL-1 receptor antagonist in inflammatory skin diseases
照井 正
1,3
,
平尾 哲二
2
Tadashi TERUI
1,3
,
Tetsuji HIRAO
2
1東北大学医学部皮膚科教室
2(株)資生堂薬剤開発研究所
3東北大学医学部附属病院皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Shiseido Pharmacoscience Research Laboratories
キーワード:
IL−1 receptor antagonist
,
IL−1α
,
アトピー性皮膚炎
,
乾癬
Keyword:
IL−1 receptor antagonist
,
IL−1α
,
アトピー性皮膚炎
,
乾癬
pp.45-49
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902508
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IL−1 receptor antagonist(IL−1 ra)はIL−1の作用を抑制するnatural antiinflammatory cytokineの一つであり,表皮角化細胞もIL−1 raを産生することが知られている.しかし,生体でどのような役割を果たしているか,まだ十分に明らかにされていない.私たちは炎症性皮膚疾患,おもに乾癬とアトピー性皮膚炎患者の病変部と対照非病変部からテープストリッピング法を用いて採取した角層中に含まれるIL−1αとIL−1raを測定した.すでに,健常人皮膚において,非露光部である上腕内側に比べて,露出部である顔面でIL−1raのIL−1αに対する比が高い値を示すことが報告されているので,部位別に比較検討した.その結果,病変部角層中のIL−1raのIL−1αに対する比の上昇は,乾癬ばかりでなくアトピー性皮膚炎をはじめとする他の機序で発症する炎症性皮膚疾患でもみられた.また,この比は治療とともに低下した.このように,IL−1raのIL−1αに対する比の上昇は炎症性皮膚疾患の病変部に共通してみられる現象であることが分かった.
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