今月の主題 白血病—研究と診療の最新情報
治療の哲学
慢性白血病治療の基本的な考え方
外山 圭介
1
1東京医科大学第1内科
pp.632-634
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910109
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●CMLの発症には,染色体のフィラデルフィア転座による異常蛋白が必須と考えられ,かつ腫瘍化は多能性造血幹細胞に起こっているため,顆粒球のほか,赤血球,血小板,Bリンパ球も腫瘍クローンとみなされる.したがって,治療にあたっては,急性白血病のように白血病クローンを化学療法によって絶滅し,正常クローンの増殖を待つことは期待できないので,唯一の根本的治療は骨髄移植である.
●CLLは高齢者に多く,経過も緩慢であり,生命の予後が病期に一致しているので,病期の進展するまで治療する必要がない.
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