白血病診療essentials 日常臨床に必要な最新の診断と治療
白血病治療の最前線 慢性リンパ性白血病
鈴宮 淳司
1
1島根大学医学部附属病院 腫瘍センター
キーワード:
トリソミー
,
腫瘍進行度
,
染色体欠失
,
白血病-慢性B細胞性
,
ZAP-70 Protein-Tyrosine Kinase
Keyword:
Chromosome Deletion
,
Neoplasm Staging
,
Trisomy
,
Leukemia, Lymphocytic, Chronic, B-Cell
,
ZAP-70 Protein-Tyrosine Kinase
pp.270-275
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010289035
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慢性リンパ性白血病(CLL)は単一な小型円形から軽度の異型をもつBリンパ球の腫瘍で、CD5とCD23の発現がみられ、日本ではまれな腫瘍である。多くは経過は緩徐であるが、一部に進行が速く、予後不良なものがみられる。予後不良因子として従来の因子のほかに(1)IgVH遺伝子変異陰性、(2)CD38発現、(3)ZAP70発現があげられ、これらの症例に予後不良の染色体異常を示すものが多い。病期分類にて病期を決定し、治療開始基準に準じて治療を実施する。欧米ではrituximabを併用しfludarabineを含む治療が標準治療であるが、17p欠失の症例は治療抵抗性で予後不良である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010