増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗Jo-1抗体およびその他の抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体
平形 道人
1
,
秋月 正史
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.612-614
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909961
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検査の目的・意義
抗Jo-1(名称は患者名頭文字に由来)抗体は,西海とReichlinにより多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)に特異的な自己抗体として見いだされ,この成績は諸施設でも確認された1).すなわち,全身性エリテマトーデス(SLE)の抗Sm抗体,強皮症(SSc)の抗DNAトポイソメラーゼI抗体と並び,PM/DMの重要な疾患標識抗体(マーカー抗体)である.近年,間質性肺炎,多発性関節炎を伴うPM/DMとの密接な関連が明らかとなり,診断,臨床経過,予後の推定など,臨床的有用性が高まっている2).
抗Jo-1抗体がtRNAhisを特異的に沈降すること,tRNAhisに結合する50 kDa蛋白二量体に抗原性があること,同抗体がtRNAのヒスチジル化を抑制することより,Jo-1抗原がヒスチジンをtRNAに結合させる反応を触媒するヒスチジルtRNA合成酵素であることが明らかとなった3)(図1,左).
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