特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
5)自己抗体
(10)抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体
斉藤 栄造
1
,
吉本 有希子
1
,
岡田 聰
1
Eizo SAITO
1
,
Yukiko YOSHIMOTO
1
,
Satoshi OKADA
1
1東邦大学医学部第四内科
pp.203-206
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900848
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はじめに
多くの自己免疫疾患で疾患特異的な自己抗体が見いだされる.多発性筋炎(PM)でも,複数の疾患特異的自己抗体が知られている1).このなかで,抗Jo-1抗体を代表とする抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体は,出現頻度が最も高く,臨床的意義,病因的意義がよく検討された代表的な自己抗体である.
アミノアシルtRNA合成酵素は転移RNA (tRNA)にアミノ酸を付加する酵素で,蛋白合成の第一段階で重要な役割を担っている.アミノアシルtRNA合成酵素は複数存在し,個々の酵素は特定のアミノ酸を付加する.この過程で,アミノアシルtRNA合成酵素は活性化アミノ酸と複合体を形成し,次いで,tRNAと結合する.
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