増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
血清胆汁酸とその分画
柴田 実
1
1東京都立荏原病院内科
pp.202-204
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909806
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検査の目的・意義
肝・胆道疾患のスクリーニング,病態把握および経過観察の目的で測定する.慢性肝炎,特に非活動性では空腹時総胆汁酸(FTBA)は正常のことが多く,肝予備能のスクリーニングとしては肝硬変,あるいはそれに近い病態の判定に適している.鋭敏性と正確性をより増すには胆汁酸負荷試験が行われる1).負荷試験は原発性胆汁性肝硬変(PBC)における胆汁うっ滞2)や慢性肝疾患の重症度,組織学的進行度の判定3)に役立つ.
胆汁酸分画は,胆汁酸の上昇が肝細胞性か胆汁うっ滞性かを鑑別したり,PBCに対するウルソデオキシコール酸(UDCA)療法の効果判定に用いられる2,4).
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