増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
酵素および関連物質
その他
ADH(アルコール脱水素酵素)
山内 眞義
1
,
前澤 良彦
1
,
戸田 剛太郎
1
1東京慈恵会医科大学第1内科
pp.128-129
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909778
- 有料閲覧
- 文献概要
検査の目的・意義
ADHは多数のアイソザイムが存在するが,エタノールを基質としてその活性を測定した場合,本酵素の生体内分布は,95%が肝で,他臓器では胃粘膜,腎,睾丸,脳,網膜などでわずかに活性を認めるのみであり,肝細胞内では細胞質に局在する.また肝臓の小葉内分布では,中心静脈周囲の小葉中心部に局在することが明らかにされている1).したがって,GPTやLDHなどと同様に,肝の逸脱酵素としての性格を有することから,本酵素の血清中の活性を測定することは,肝細胞障害の程度,特に肝の小葉中心部の肝細胞障害を把握するのに有用な検査である.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.