今月の主題 貧血
技術解説
血清フェリチン
長村 重之
1
,
吉川 治
1
,
座光寺 正治
1
1東京医科大学第1内科
pp.610-616
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911253
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フェリチンは,ヘモグロビンに次いで二番目に多くの鉄を含有する分子量45万の鉄貯蔵蛋白で,特に肝,脾,膵,骨髄,腎に多く存在するが,正常人血中には存在しないものとされていた.しかしYalow & Berson1)らがラジオイムノアッセイ法を開発したことにより,従来測定しえなかった血中の微量物質の測定が可能となり,フェリチンが正常人血中にも微量ながら存在することが1972年Addison2)らにより報告された.以来,各種疾患における血清フェリチン値について報告が多数なされるようになった.
最近,immunoradiometric assay (IRMA),com-petitive radioimmunoassay (competitive RIA),reversed passive hemagglutination (RPHA),エンザイムイムノアッセイなどによるキットが市販されるようになった.今回は,それらの原理,測定方法,臨床的意義について,比較的入手しやすいキットを例にとり説明する.
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