今月の主題 ウイルス肝炎1990
そこが知りたいウイルス肝炎最近の知見
C型肝炎の感染経路と診断
三田村 圭二
1
1東京大学医科学研究所・感染症研究部
pp.1492-1494
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909565
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主として血液を介して伝播する非A非B型肝炎ウイルス(parenterally transmitted or bloodtransfusion-associated non A, non B hepatitisvirus:B・NANBV)の遺伝子が解明され,C型肝炎ウイルス(HCV)と命名することが提唱されている1).この遺伝子の一部の発現がなされ,発現蛋白(C-100抗原)に対する抗体(抗HCV抗体,抗C-100抗体)の検出2)が日常臨床で可能となっている.C型肝炎とははHCVが起因ウイルスで,現時点では,抗HCV抗体の検出により診断がなされている.
ウイルス感染においては,感染性病原体の存在する感染源とその感受性者とのかかわり(伝播様式→感染経路)によって感染が成立する.HCV感染においては,HCV持続感染者(HCVキャリア)が存在し,主要な感染源である.
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