今月の主題 ウイルス肝炎1990
そこが知りたいウイルス肝炎最近の知見
肝炎の新しい生化学的検査
岡部 和彦
1
,
加藤 行雄
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院・内科
pp.1495-1497
発行日 1990年9月10日
Published Date 1990/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909567
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●急性ウイルス肝炎
A,B,CおよびD型肝炎は各々のウイルス抗原・抗体の測定により確診される.従来A,B,非A非B型肝炎の生化学的検査成績については一定の見解が得られている.表1は筆者らの成績であるが,A型はB,非A・非Bに対しTTT,IgMおよびγ-GTPで有意に高値を示し,一方,非A・非BはA,B型に対しGPTで低値を示している.この際の非A・非B型はIgM型HA抗体(A型),HBs抗原・IgM型HBc抗体(B型),およびIgM型EBV抗体,CMV抗体陰性例であり,HC抗体測定例ではない.最近Atono Y1)らはA,B型肝炎でCRPが著明に高値を示し,回復過程で急速に低下・正常化するが,非A・非BではA型に対し有意に低値を示すことを認めている.
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