今月の臨床 治療にてこずる感染症
C型肝炎
12.C型肝炎の感染経路と診断
林 紀夫
1
,
尾下 正秀
1
,
房本 英之
1
,
鎌田 武信
1
Norio Hayashi
1
1大阪大学医学部第一内科
pp.1070-1072
発行日 1993年9月10日
Published Date 1993/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901437
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1989年に米国カイロン社によりC型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子の一部が単離され,その遺伝子より蛋白を作り,この蛋白に対する抗体(C100—3抗体)系が開発され,それまで非A非B型肝炎とされていた多くがHCVによる肝障害と診断され,以後,C型肝炎に関する研究は急速に進展した。現在,より感度のよいcore領域に対する抗体を含む第二世代HCV抗体によりC型肝炎の診断はほぼ可能になったと考えてよい。一方,その感染経路は,血液を介する感染(輸血・血液製剤の投与,経静脈的薬物投与など)を除くと不明な点が多い。本稿では,C型肝炎の感染経路および診断について概説する。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.