今月の主題 白血病—最新の知見と治療
特殊な白血病
慢性好中球性白血病と骨髄増殖性疾患群
柴田 昭
1
1新潟大学医学部・第1内科
pp.620-621
発行日 1990年4月10日
Published Date 1990/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909528
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●慢性骨髄増殖症候群(CMPD)
CMPDは1951年Dameshekの提唱によるもので,彼はこの症候群に属する疾患として表の1)〜4)までのものをこれに含ませた.後に,彼自身によって発作性夜間血色素尿症(PNH)も本症候群の候補者として挙げられたが,これは今日否定的である.その後,造血幹細胞の定量法が確立されてから,慢性骨髄単球性白血病(CMMoL)を本症候群の一員として含めようという動きがある.
近代的な意味での造血幹細胞の概念が出る以前に,このような症候群を提唱したことは,今日からみればまことに卓見であったというべきであろう.Dame-shekがこのような概念に到達するに至った動機は,長年にわたる多数の症例の綿密な検討の結果,次の2点に注目したためである.すなわち,①骨髄はいろいろな刺激に対して,ある1つの細胞系統で反応することはむしろ珍しく,全体(en masse)として反応する性質をもっていること,②表に掲げたような疾患は経過中に相互に移行し得ること,の2点である.その後になって彼は急性骨髄増殖症候群,リンパ増殖症候群という2つの症候群を追加したが,これはあまり一般的にはならなかった.
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