今月の主題 狭心症—日常臨床へのExpertise
狭心症の治療
分類別の診断と治療法
異型狭心症
舟山 直樹
1
1北海道循環器病院
pp.636-639
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909304
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ポイント
●異型狭心症は自然発作時に心電図でST上昇を認めれば診断は容易であるが,厳密には冠攣縮誘発冠動脈造影法を行い,診断を確定する.
●多枝に生ずる冠攣縮の予後は心事故を生じやすい.アセチルコリン冠動脈内投与にてその診断は重要である.
●異型狭心症の発作予防は,ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬が極めて有効である.
●発作時間帯を考慮した投与法が重要である.
●第三世代Ca拮抗薬(アムロジピン)は,活動性の高い異型狭心症の発作の抑制には不十分である.
●難治性異型狭心症例にニフェジピンとジルチアゼムの併用は有効と思われる.
●発作重積例では急性心筋梗塞に進展する例もみられ,かかる例においては入院,薬物療法の強化が必要である.
●ハイリスク例には,徹底した禁煙指導と,Ca拮抗薬の永久的投与が重要である.
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