心電図講座・11
狭心痛—異型狭心症
難波 和
1
,
藤垣 元
2
1阪大・西川内科
2大阪成人病センター循環器科
pp.1621-1627
発行日 1967年11月10日
Published Date 1967/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201997
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狭心症の発作時には,心電図にST降下をみるのがふつうであるが,逆にSTが著明に上昇するものがある。ST上昇の形状は,急性心筋硬塞発作時のST上昇とよく似ており,一見硬塞発作を疑わせるが,狭心痛が治るとともに消失し,異常Qも生じない。このような一過性のST上昇を示すものは,従来の狭心症と異なつているという意味から,異型狭心症variant formof angina pectorisと名づけられている。その診断の要点,心電図所見の特徴などにつき解説する。
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