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特集 冬眠研究の最前線――人工冬眠への挑戦
冬眠様の低体温・低代謝状態QIH
QIH
――Hibernation-like hypotheramic/hypometabolic state
櫻井 武
1
Takeshi SAKURAI
1
1筑波大学医学医療系,同国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)
キーワード:
Qrfp
,
Qニューロン
,
視索前野
,
背内側核
,
QIH
Keyword:
Qrfp
,
Qニューロン
,
視索前野
,
背内側核
,
QIH
pp.225-229
発行日 2021年4月17日
Published Date 2021/4/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27703225
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冬眠中の動物は低体温・低代謝・低活動の状態になるが,その状況下でも環境の変化に適応することが可能であり,何ら組織障害を伴うことなく自発的に元の状態に戻る.冬眠動物のように生体の酸素需要を安全に低下させることができれば,さまざまな応用が可能であるため,その機能と作用機序には注目されている.しかし,冬眠中の詳細な生理的状態,作用メカニズムなどは謎につつまれている.近年,光遺伝学あるいは化学遺伝学的に一部の視床下部ニューロンを操作することにより,冬眠と似た状態を作り出しうることがわかってきた.このメカニズムが真の冬眠動物でも使われているのか,ヒトでも人為的操作で同様な状態を作りだすことができるのか,など興味は尽きない.ここでは誘導された冬眠様状態であるQIH(Q neuron-induced hypometabolism)について,その発見の経緯,QIH中の生理,これまでにわかってきたQIHの作動メカニズムについて述べる.
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