増刊号 内科医が使う薬の副作用・相互作用
消化器薬
グリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンシー)
又木 紀和
1
,
藤岡 高弘
1
,
近藤 寿郎
1
1自衛隊中央病院消化器内科
pp.118-120
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908974
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
グリチルリチン(GL)は甘草から抽出され,肝疾患に対し有用性が認められている.その効果には,AST・ALTの改善のみならず,組織学的改善1)があり,その結果,肝硬変・肝癌への進展抑制2)などが報告されている.このため,慢性ウイルス性肝炎を主たる対象として広く使用されている.
剤型には経口剤と注射剤があるが,注射剤に比して経口剤の効果は弱い.また,注射剤の効果は,一般的に1回投与量や投与回数に相関する.保険適用上,100ml投与可能な製剤とそうでない製剤があるので注意が必要である.常用量は1日20〜40mlであり,一般にAST・ALTの推移をみながら投与量・投与回数は適宜増減されるが,強力ネオミノファーゲンシー®などは,AST・ALTの改善が不十分な場合には1日100mlまで増量できる.なお,急な中止後にはAST・ALTの再上昇がみられる場合が多いので注意を有する.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.