Japanese
English
症例報告
C型肝炎を合併しグリチルリチン製剤で改善をみた扁平苔癬の1例
Effectiveness of glycyrrhizin for lichen planus in a patient with chronic hepatitis C
高木 祐子
1
,
澤田 俊一
1
,
新村 眞人
1
,
高木 一郎
2
Yuko TAKAGI
1
,
Shun-ichi SAWADA
1
,
Michihito NIIMURA
1
,
Ichiro TAKAGI
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2東京慈恵会医科大学内科学講座1
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
2Department of Internal Medicine 1, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
扁平苔癬
,
慢性C型肝炎
,
グリチルリチン
Keyword:
扁平苔癬
,
慢性C型肝炎
,
グリチルリチン
pp.45-48
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903104
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50歳,女性.十二指腸潰瘍による頻回の輸血歴があり,一時的な肝障害を併発したがその後治療は受けていない.初診の1か月前より前腕に瘙痒を伴う直径5mm大の淡紅色丘疹が出現し徐々に体幹,四肢に拡大した.頭部,顔面を除く広範囲に丘疹が多発しているが,口腔粘膜,爪甲に変化はなかった.病組織検査で典型的な扁平苔癬の像を示した.臨床検査では貧血,軽度の肝機能障害および抗C型肝炎ウイルス抗体陽性所見があり,慢性C型肝炎と診断した.ステロイドの内服および外用療法を行ったが,皮疹の明らかな改善は認められず,グリチルリチン120mg,週6日の投与を開始した.7週後の33回目投与産時に,皮疹および病理組織像に改善が認められ,同時にAST, ALT値の低下もみられた.慢性C型肝炎と口腔扁平苔癬の合併は多数の報告例により知られているが,皮膚のみの扁平苔癬の発症原因の一つとしても慢性C型肝炎が関与していると考えられた.
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