プライマリケアにおけるShared Care—尿失禁患者のマネジメント・6
治療—薬物療法・手術療法
鈴木 康之
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.536-538
発行日 2002年3月10日
Published Date 2002/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908636
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
薬物療法
下部尿路は自律神経支配臓器(図1)で,蓄尿・尿排出に自律神経が深くかかわっている.また,女性の下部尿路とこれを支える筋群・靱帯が女性ホルモンに感受性であることが薬物療法の根拠となっている.
腹圧性尿失禁の原因は,膀胱底下降と後尿道膀胱角開大による尿道括約(閉塞)機能低下と解釈できる.α刺激薬は尿道と膀胱頸部を閉塞し,尿道括約機能を補助するため良好な臨床効果が得られるが,末梢血管収縮,血圧上昇の副作用により高齢者には使用できない.近年,α1受容体のサブタイプが明らかとなり,尿道特異的なα1遮断薬(タムスロシン,ナフトピジル)は臨床応用されており,有用な尿道特異的なα1刺激薬も開発される可能性はある.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.