増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
腹部
各論
卵巣
森田 英夫
1
,
青木 純
1
1群馬大学医学部放射線部
pp.326-332
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908408
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正常解剖
卵巣は子宮広間膜の背側に付着し,子宮とは子宮卵巣索により連結する.広間膜は卵巣堤索となって外側へ移行し,卵管を支持する.卵巣は皮質と髄質に分かれ,卵巣門を通じて広間膜と連絡し,卵巣動静脈とリンパ管がここに注入する.卵巣動脈は腹部大動脈より直接分岐する.左卵巣静脈は左腎静脈に合流し,右卵巣静脈は下大静脈へ直接合流する.皮質表面は胚上皮と呼ばれる1層の立方上皮に覆われている1).卵巣腫瘍の多くを占める上皮性腫瘍は,この胚上皮より発生したものである.卵胞は髄質内に存在し,周囲を顆粒膜細胞などの間質に支持され,かつホルモン分泌を受けながら成熟する.
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